碧空1643 phantom circuit151(他の誰かになるまで器官を延長する秘密の冒険)
1643 phantom circuit151(他の誰かになるまで器官を延長する秘密の冒険)
ジュリエットが「悪徳の栄え」の威儀として盗むことは、富の再分配の試みなどというものではなく、毒を盛る衝動の反転形式で、闇から闇へ葬られる秘密を分け合おうとする儀式である。秘密を贈与して秘密を守るために毒を盛るのではないが、秘密を分け合うために(奇妙にも)毒を盛ることに面して転移発作的に富を盗んで(奇妙にも)秘密を分け合うことになるのである。
ジュリエットが人知れず盗む、その秘密裏の侵入は、その摩擦で輪郭を励起すると同時に喪失して部屋そのものに膨れ上がるのである。口腔から肛門へ蛆のようにのたうつ腸管を通り抜けた滓(糞)が部屋に残されるとすれば、その贈呈は、この透明な侵入の記念というより、もしかしてジュスティーヌかも知れないまでに彷徨う輪郭を意志があるかのように追跡するカメラ・アイの残留である。贅肉となって輪郭を探すのではなく、盗む動作の被監視状態が(もしかして見てはならない)輪郭を励起して、体表の全域をしびれるような性感帯にするのである。
同じようにして、隠れ切支丹は、偶然でしかない秘密をまるで本質であるかのようにするために仲間を密告するし、裏切るのである。ジュスティーヌは強迫的に踏み絵に曝されている。
ジュスティーヌは踏み絵を蹂躙する、すなわち人面瘡となって這い上がるジュリエットが膝に現われ、鬱然と充塞して、ジュスティーヌが乗っ取られるかに見える。しかしそうではなく、ジュスティーヌは器官を延長してジュリエットになるまでに冒険が秘密になるのである。他の誰かになるまで器官を延長するmetamorphosis は、魂の移住というようなものではなく、「私」が終わるところで極端に私的になる秘密、無我なのである。


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