碧空1656 phantom circuit164(時間の鼓動、時間の表情)
1656 phantom circuit164(時間の鼓動、時間の表情)
一体Mephistophelesとの契約とは、生き延びるために生き延びてはならない(「禁止と誘惑の図式」)ということである。
1 寿命を鎧って後れて来る主体(のぞき穴)と引き替えに生き延びる
2 そこにいてそこにいない(あるいは、誰と入れ替ったか分からない)幽霊の、後れて来るはずの主体が途中までしかやって来ないのぞき穴と引き替えに生き延びる
3 偽も同然の片隅に世界の終わりが潜むのぞき穴と引き替えに生き延びる。
これは随意の選択条項なのではなく、「禁止と誘惑の図式」の表現としてのMephistophelesの表情が不随意に変わって驚くというふうだ。
1 この世のものは光の麻痺である。それは一旦世界の広がりを閉じ込めた種子のようなもので、この世は時間としての闇となって鬱然と押し迫る。躁と鬱の双極性は、到達の衝動が極端に空回りするか極端に圧し拉がれるか、その程度の差異に真と偽の両極が応答する。まるで時間の表情に質量の差異があるというふうだ。暗黒物質などというものが真に迫るのであれば、それは、時間の表情が躁なのである。
2 恋を知りたいのであれば、種と個が解離しない(小さく小さくまるでズーム・アップするような)のぞき穴を見つける、というよりはのぞき穴になることだ。個が真に迫って種が遠ざかると同時に種が運命のように迫って個が間に合わせでしかなくなる恋は、その、タイム・スリップしたようなのぞき穴の、遠くして近い眺めである。それは偽も同然の秘密の眺めであって、奇妙にも蜃気楼とは性欲の麻痺であるのに到達の衝動が光り出すのである。
3 全体が先立つはずの部分が知らぬ間に全体に先立つ自食、再発の光景も、場所としての全体が時間としての全体に変脱するのである。


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