Friday, January 24, 2020

碧空1661 nautilus 4(躁ぐような自然の拡張)

1661 nautilus 4(躁ぐような自然の拡張)  自然は媒体ではない振りをするが、その擬態で以て欺くことを自らは知らない。そうした媒体性の発現は擬態が解け、遠近法が崩壊して、後れて来るはずの主体が途中までしかやって来ないのであるが、それは何か被曝の気配である。  独りで居過ぎた真夏の昼間に、そうした昼間の奥地を占拠する巨大な蜘蛛の巣と黒々と磔になった大蜘蛛を(まるで梟首されているかのように)何度も見に戻らないでいられないのは、そうした小さく小さく(まるでズーム・アップするように)縮む世界の片隅で孤独を学ぶのではなく、後れて来るはずの「私」が途中までしかやって来ない、初めてであるはずなのに初めてではない、そうした、畳が制御不能に暴れ出して躁ぐような場所ノ氾濫!、誰カガイル!という(自在ではない)気配に被曝しているのである。  一級の狐狸は場所に化ける。誰カガイル!という薄気味悪く迫る気配は、潜伏しないで躁ぐ場所の気配である。幽霊の目撃の、二趣の報告が、あるいは特別の親しみを寄せて来る、あるいは見つけたのは私なのに私を探しているようではない、というように矛盾して混乱しているのは、まるで自然が正体を現わして、まるで躁ぐような自然の拡張である。

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