Sunday, February 02, 2020

碧空1667 nautilus10(盗まれている「モナリザ」、膨れ上がる「モナリザ」)

1667 nautilus10(盗まれている「モナリザ」、膨れ上がる「モナリザ」)  後れて来る主体ののぞき穴の、目的と比喩と場所が解離して、その、のぞくものの実在性の程度は、のぞき穴が場所であるか目的であるか比喩であるかに応じて真に迫れもすれば嘘じみもする。真偽は、明暗のように、程度の勾配に過ぎない。伝達され紹介されるような絶景には、その実在性に比較の勾配があるのである。  絶対速度で励起する蜃気楼であるような「モナリザ」は盗まれている。本当の持ち主が接近する限りで光り出す絶景だからである。半具体として自然につけ加えられた絶景としての「モナリザ」の実在性は平均化の、その解離の比較でしかなく、更には具体としての「モナリザ」が愚鈍に取り残される。「モナリザ」誕生の環境や経緯や技術を走査して隠れていたものが顕れて来るのは後れて来る主体ののぞき穴であるから、蜃気楼の励起であるような「モナリザ」は逃れ去る、と同時に「モナリザ」は予定調和的に膨れ上がることになる。  「モナリザ」も何度ものぞきに戻りたくなるのぞき穴であるが、それは、人知れず盗まれた蜃気楼であるか、人知れず予定調和的に地下から涌き出すように膨れ上がる種であるか、一体「モナリザ」の魔術的な表情は、こうした、のぞき穴の振動(レオナルド・ダ・ヴィンチが制御できない魔術の変脱)である。この、底知れぬのぞき穴は、鸚鵡貝の目のようなモナリザの目になってエコーし、「モナリザ」がモナリザの目の振りをする、この、鸚鵡貝の目の再発が、「モナリザ」を訪れる者が催眠術にかかるような微笑なのである。

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