Monday, March 02, 2020

碧空1686 nautilus29(「モナリザ」の抜け羽)

1686 nautilus29(「モナリザ」の抜け羽)  「モナリザ」そのものが、最後の一羽の(「私」が終わるところで極端に私的になる)胴震いに感応した、あの「壁に写る影」であるために、反直観的な行方不明のmysterium (臨在)と最後の一羽の抜け羽のようなミステリ(垂迹)との間に振動して、何度ものぞきに戻らないではいないのである。  「モナリザ」に防毒マスクを装着して、時限爆弾を仕掛けるようにルーブル美術館に持ち込んだテロルの、その防毒覆面は、胴震いする「モナリザ」の、その最後の一羽の反直観的な魔術と恐れと戦きを模写するようでも、首の切断にではなく口唇に微笑となって転位していた葛藤の分割を閉ざして沈黙するようでもある。  ところで、子供たちは、拾った珍しい羽が天使の抜け羽ではないかと夢想するものだが、ルーブル美術館を訪れて、存在してはならない「モナリザ」は撮影を禁止されるまでもなく写らないが、抜け羽の自由落下なら遭遇できるのである。

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