Wednesday, March 18, 2020

碧空1697 nautilus40(片隅の絶対速度の光に被曝する)

1697 nautilus40(片隅の絶対速度の光に被曝する)  騾馬は、昔は支那より西に限られた。  (何だろう。この、頬をかすめる、うららかな、果てしない疾走は)  咸平五年、建州ノ海賈周世昌、風ニ遇ヒテ漂ヒ日本ニ至ル。凡ソ七年ニシテ還ルコトヲ得タリ。其ノ国人滕木吉ト至ル。上、皆之ヲ召見ス。世昌其ノ国人唱和ノ詩ヲ以ッテ来リ上ツル。詞ハ甚ダ彫刻ナレドモ膚浅ニシテ取ル所ナシ・・・上、滕木吉ヲシテ持スル所ノ木弓矢ヲ以ッテ挽射セシム。矢遠キコト能ハズ。其ノ故ヲ詰ルニ、国中、戦闘ヲ習ハズト(宋史日本伝)  ゴロブニン船長の松前幽閉が解けたその歳、ペテルスブルグの都からの日本国への贈りものは、一個の時計だった。それは、発条を充たせば、川の如きものが横に流れ、馬首が出て来て水飼う工夫だった。  (何か惜しい)  柑橘の豊麗な地中海の処々には山が岸浜まで迫っていて、冬なお温和な白い浜と山の中腹の白い家並とを結ぶ坂道を、荷を振り分けた驢馬がひねもす往来している。その頃、山向うのローヌの平野には、ミストラルと呼ばれる北風が吹き荒れているという。(繞々乎11号「洩れる白い息」草森恒四郎)

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