碧空1711 nautilus54(エルピスの感染の諸形式)
1711 nautilus54(エルピスの感染の諸形式)
Virus が寄生して、底知れぬ命令が終わる、すなわち次元跳躍して霊的ではないvirus が出現するのは記憶喪失の如く俄然我に返る如くなのである。Virus は来たるべきvirus の影である。
記憶喪失の如く俄然我に返る如き次元跳躍の、その反直観的な反復、複写と通常の反復、複写との間に振動するのが、縁生的反復、複写である。来たるべきものの影は、打ち消されて疚しさや死体や世界といった秘密となって潜伏した「禁止と誘惑の図式」であるが、来たるべき偶然や個、悪や偽や、症状は、他の来たるべきものが縁生するように打ち消されていたものの極一部の夢のような浮上であるだけでなく、その夢のような表出は立ち止まって振り向く犬が催眠術にかかっている如く、すなわち記憶喪失の如く俄然我に返る如くなのである。
こうして、Virus に感染したように「禁止と誘惑の図式」は終わる。霊的でなくなるのである。しかし、パンドーラーの甕の底に潜んでエルピスに扮装していたものとは、甕から飛び出すはずの偶然、個、悪、偽、症状といった来たるべきものの影すなわち「禁止と誘惑の図式」であるから、開けてはならない甕は一度だけ開けられたのではなく何度も開けに戻らずにはいないのである。
運命譚や魔法譚や幽霊譚、ミステリや精神分析が暗示するのは、運命、種(EROS)、良心、精神、無意識といった何度ものぞきに戻らずにはいない「壁に写る影」が、来たるべき偶然、個、悪、偽、症状になって霊的でなくなるはずなのに零落しないで途中までしかやってこないエルピスの感染の諸形式である。


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