碧空1731 nautilus74(誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の如き次の街)
1731 nautilus74(誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の如き次の街)
誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の如き次の街が、知らぬ間に出発地点に連れ戻されている次の街であること、つまり、制御不能に何度ものぞきに戻らないではいないことは、「禁止と誘惑の図式」の再発、その底知れぬ命令が運命、種(EROS)、良心、精神、無意識とまるで系統発生するかのようにいつの間にか変脱するのに酷似している。というより、その霊的ノイズの変脱が霊的でなくなるように感応して、偶然、個、悪、偽、症状がまるで系統発生するかのようにいつの間にか霊感的ノイズが変脱するのである。
「Fugitive」の諸エピソードの表題は、1愛と憎しみの果て2どぶ鼠3誘惑4炎の中の誕生5洋上の黒い霧6小さな魔女7さよならはいや8ハリウッドを見て死ね9真犯人はオレだよ10白いリボンのような道・・・というように続くが、さらには11秘められた愛の鍵12人知れぬ恐怖13仕組まれた情事14リングの上の決断15虫けらの命16死の影に追われて17俺の死にざまを見ろ18片腕の男19純血種20血にまみれた手21復讐22天使は淋しい道を行く・・・というように続くが、二重の気分の「Fugitive」に焦燥や憂愁となって霧のようにかかる霊的ノイズは、個々のエピソードを映し出した次の街には、後れて来るはずの主体が早く来過ぎて霊感的ノイズとなって霧のようにかかっている。
諸エピソードの表題は起コリソウモナク何時モ満タサレナイ遁走(fugue )!を暗喩のように孕んでいて、というのもそれは、fugitiveの鏡像だからである。次の街をのぞき込むとfugitiveの顔が壷のように置き換え難く(しかし、その置き換え難さが痛恨のエラーのように)映っているスリルと懐疑と今にも堪え切れないで音を立ててしまいそうな静寂こそは、後れて来るはずの主体が早く来過ぎているサスペンスである。


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