碧空1735 nautilus78(距離が頓挫した連れ戻されるようなサスペンス)
1735 nautilus78(距離が頓挫した連れ戻されるようなサスペンス)
路傍の花や水上の鴨やさまざまに変身して、大蛇に身を窶した何かばかでかい気配の追跡を躱そうとする逃亡の果てに、道成寺曽谷本では、釣鐘の中に隠れた若僧は大蛇の瞋恚の炎に抱き竦められて露に成り果てる。
このmetamorphosis は、追跡を躱そうとしたかにも見えるし、この世へ逃亡して霊的でなくなるはずなのに霊的になる死や場所の、その二重性を複写した死者の目、つまり、忽光に達したとも見える。逃亡する「私」は追跡する何かばかでかい気配の乗り物やくぐつや宿主のようなものであるから、それは逃亡する「私」となって祟るのである。この献身が、露が代表するような痛恨のエラーであるが、この、「私」でなくなる冒険を何度ものぞきに戻らないではいない。すなわち、遁走と追跡が解離した、その藻掻くような展開が距離の頓挫した連れ戻されるようなサスペンスである。


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