碧空1741 nautilus84(究極の双子のトリック、自由落下の実験の二つのエピソード)
1741 nautilus84(究極の双子のトリック、自由落下の実験の二つのエピソード)
魔法使いの弟子になるために長靴を穿いた猫がしたように、すなわち鼠に化けた魔法使いが長靴を穿いた猫に呑み下されるように見えた瞬間魔法使いが長靴を穿いた猫に化ける、そのようにして、ヨハンはアンナとなってヨハンの弟子になる。ヨハンはアンナとなって想起する。この二重性がミステリなのである。
つまり、「赤いバラの屋敷」に連れ去られたはずのヨハンの帰りを待っていたのはアンナではなく、戻って来たのはアンナで、迎えたのはアンナに変装したヨハンなのである。この変装は記憶の加工であるが、記憶の本当の持ち主は分からない。「赤いバラの屋敷」の自由落下の実験の二つのエピソードの、その一つ(アンナ系)が縁生するために打ち消されたもう一つのエピソード(ヨハン系)は、夢のようなエラーとなって(まるで記憶の感染と症状となって)表出する。
弟子を求めて、半真偽のMephistophelesが猖獗を極める。本当の名が分からない、「私」の本当の持ち主が分からないことが、究極の双子のトリックである。瓜二つの(しかも雌雄異体の気配の)ヨハンとアンナの分割が、問としての「私」と解としての「私」の解離のイラスト、あるいは暗喩であることは、自由落下の実験の二つのエピソードを誘導する。呼び出されなければ成らない「私」というものの矛盾が、「私」を「狐憑き、類、生首」が代表するエピソードか、「自由、孤独、思考」が代表するエピソードかに分岐するのである。(「nautilus79、80、81、82、83」)


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