Monday, May 18, 2020

碧空1742 nautilus85(記憶の感染)

1742 nautilus85(記憶の感染)  「赤いバラの屋敷」でアンナが目撃した光景、悶絶して折り重なる死体の山の景色の話を、ヨハンは何度も繰り返し聴かずにはいない。その何か魅する光景を、記憶の感染が起こるまで何度ものぞきに戻らずにはいないのである。単に記憶の感染が起こるだけでなく、何かが人知れず分裂して、ヨハンは「狐憑き、類、生首」のエピソードへ導かれ、アンナは記憶喪失と「自由、孤独、思考」のエピソードへ導かれることになる。  鴎外が、堺事件の、下級武士が身代わりに集団切腹する場面を何度ものぞきに戻らないではいないのも、その「異常心理」の異様な(立ち会ったフランス人誰をも震撼させる)献身の光景が、武士たちの鎧う「私」を「狐憑き、類、生首」が代表するエラーのようなエピソードだからである。(「nautilus79、80、81、82、83、84」)

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