Wednesday, May 27, 2020

碧空1751 nautilus94(異化の極端な増幅)

1751 nautilus94(異化の極端な増幅)  世界の終わりは、ハレー彗星の大接近のようなスペクタクル、まだ見ぬものが眼前に広がる異化としての観光とは、比較を絶している。見えないものが見えるようになる望遠や顕微や透視といった異化ではなく、見えないものの最たる霊的気配が、村の境目に荒涼と連なる崖となって亡命する世界の終わりの被曝(「Nostalghia」Tarkovsky )、あるいは、水溜まりをのぞき降ろすと「私」であるはずの顔がフランケンシュタインの顔にとり替えられてしまっているというような、霊的な心臓の鼓動をアースできない被雷は(「The Spirit of the Beehive」V.Erise)、平凡な見馴れた景色が突如何も変わっていないのに取り替えられてしまうような異化の極端な増幅なのである。  この異化の増幅は忽光を出すが、それは、単にこの世のものとなって霊的でなくなる表現、単に忘れないように忘れる偽、そう見える錯覚として遠近法がかかった亡命なのではなく、「私」となって後れて来るはずの伝達(命令)が具体を探して真に迫ろうと細部をズーム・アップするが濶然と絶対速度で遡上するように底知れぬ場所(命令)に迫ってしまい、立ち竦むのである。水溜まりをのぞき降ろすと、「私」であるはずの顔がフランケンシュタインの霊的な気配となって揺れながら映っているのは、そのイラストである。

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