碧空1752 nautilus95(亡命、Elpis)
1752 nautilus95(亡命、Elpis)
生命は、すなわち命令「の」伝達は、この世のものとなって霊的でなくなる個「の」表現を支配するが、寛大である。というのも表現は、命令に矛盾しない範囲で歪むのである。この即興的表現は、運命や種、良心や精神や無意識といった命令「の」伝達が偶然や個、悪や偽や症状といった不正、突出、細部となって亡命するのである。
カインの弟殺しとなって、忘れないように忘れる亡命の霊的抽象、霊的暗示は一体どのようなものか。知を共にする、その知とは霊的暗示が即興的にこの世のものとなる表現の支配であるが、カインの弟殺しをtwice-toldにする。良心は場所となってカインの弟殺しを浮かび上がらせて私的価値を罰するが、カインは弟殺しをして亡命するのではなく、カインの弟殺しが霊的でなくなる亡命なのである。しかも、このtwice-toldの亡命がElpis と瓜二つなのである。
女体がDracula に感染した初期症状はlethargy(嗜眠状態、弛緩)、lassitude (物憂さ、けだるさ)であるが、この、濃霧がかかったような濃厚な眠気は、後れて来るはずのカインが早く来過ぎたのである。催眠術にかかったように弟の死体を隠すために、弟はカインの場所になって潜伏する。早く来過ぎたカインの見られてはならない「壁に写る影」は後れて来るはずの弟である。
催眠術がかかっている「禁止と誘惑の図式」に嵌められたカインは、どこまで逃亡しても、この見られてはならない影に良心や運命「の」伝達の如くつきまとわれる。種は予定調和的であるのに早く来過ぎて種と瓜二つの個に寄生する、あるいは、種は瓜二つの個と個の間に優越する如くに出現しては逃れ去る。カインはそのようにしてエデンの東に亡命し、そのノドの地まで延長した弟の死体の上でカインの子孫となっていや継ぎ継ぎに祟るのであるが、汝ハ何処ニヲルヤ!と、目に見えない存在に(しかもそれが目に見えないのは、それがまるで目が見えないからである如くに)盲目に、まるで思い出したとでもいうかのように、呼び出しを食らう。
悪や偶然、偽や個となって霊的でなくなる命令「の」伝達の、そのmetamorphosis からして、霊的でなくなる亡命の神格はElpis なのである。


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