Friday, June 05, 2020

碧空1760 nautilus103(凡そ諸挿話がtwice-toldであるのは、)

1760 nautilus103(凡そ諸挿話がtwice-toldであるのは、)  寄寓の土地、アビメレクの国でアブラハムは妻サラを妹と偽る。同ジヨウニシテ、アビメレクの国でアブラハムの子イサクは妻リベカを妹と偽る。これは、記憶喪失してあるいはひどく時計が遅れて迷い込んだ土地で、他の誰かにどうも間違えられているというのではないが、このElpis の衝撃が縁生するために打ち消された諸挿話の一つの、夢のような表出なのである。間違えられるのは「私」ではなく、妻が妹と間違えられるのでもなく、「私」が妻を妹と偽って誤導するのである。  ヤーウェの弟殺しの夢想がカインを通してアベルへ向かい、同ジヨウニシテ、エサウを通して双子の片割れのヤコブへ向かうのは、打ち消された諸挿話の一つが夢のように表出するというよりは、種の夢「の」伝達の即興的表現に見えるが、すなわち夢想を忘れないように忘れる亡命、初めてであるかのように始まる異化に見えるが、この夢想そのものが夢のような表出なのである。  それは、一体何が縁生するために打ち消された諸挿話の一つだろうか。子殺しの夢想かも知れないし弟子殺しの夢想かも知れないが、それも打ち消された諸挿話の一つに過ぎなく、祖殺しの夢想だろうか。  祖殺しの夢想は、夢想を忘れないように忘れる亡命が命令に反転した再発である。この再発は業じみている。ヤーウェはアブラハムや!と盲いている如くに呼び出し、齢が邁み目がくもって盲いたイサクはエサウや!と呼び出す。凡そ諸挿話がtwice-toldであるのは、命令を忘れないように忘れる亡命が命令に反転して初めてであるかのように始まるからである。  イサクの嫁探しの挿話のように、ヤーウェの夢想は、アブラハムの意を受けて嫁探しの旅に出た従僕を媒体にして、嫁になるはずの乙女が偶然の振りをして井水の辺に現われ、思い定めた通りに話が展開すれば正にそれは嫁になるはずの乙女である、と規定する。この霊的規定は、予言の移住である。果たして予言通りに、予言「の」伝達を忘れないように忘れる亡命が展開する。

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