碧空1780 nautilus123(40年がゴーストのようにかかるExodus)
1780 nautilus123(40年がゴーストのようにかかるExodus)
物語が別天地に伏流して地表に出るスリップ、この越境の気配が、海が割れるExodusを覆う。出埃及記を飾る、このスペクタクルは、パロに顕れた異象がモーゼに顕れる律法に(海が割れる如く劇的に、しかし知らぬ間に)スリップして伸びることのイラストである。
約束の土地へ向かって荒野をまるで霧の中を彷徨うように導かれるExodusは、40年もかかかる。ヤーウェは40年も試みて、約束が満ちるのに大量の時間をかけるのだ。というより、それは、まるで40年もの姿をした霧の中、ということなのだ。
飢饉に際して逆向きにエジプトへヤコブの種族が避難した年にかかっていたのは、ペストの如く蔓延する飢餓であるが、この飢餓が40年の荒涼とした野を導かれて移動するイスラエルの群にも殺到する。
その荒涼の気の中に、つぶやきが一つ点じ、たちまち増幅して拡散する。それは囀りではなく、ぼやく以上の黒い言葉、祈りではなく、不満以上の怨言の殺到である。一体誰に届けたいのか。というより、それは、降って湧いたように鶉が荒野を覆い、白い露のようにマナが地に置かれ、降って湧いたように唐突な律法「の」伝達に、物語のスリップが再発する。マナを貯蔵してはならない、というような奇妙な禁止であり、貯えればそれはわざわざ腐ってみせる!おかしなことであるが、第七日目はヤーウェの安息を冒してはならない、というような七の呪縛も持ち越されている。
知らぬ間に海が割れて導かれているのであるが、その約束に面して導かれていることが霧の中を彷徨うように疑わしいのは、律法「の」伝達がいつも後れて来る、そのスリップに面して、呼び出されなければ成らない試みの気配に小さく非常に小さく縮小して何か疾しいのである。試みの気配は何か罪の気配の滞留、霊的でなくならない半亡命の気配である。40年がゴーストのようにかかるExodusには、純粋なユーモアが迫る。雌雄異体の気配の地下に息づいている、エキストラの気配である。


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