Friday, July 10, 2020

碧空1795 nautilus138(突然の聖別)

1795 nautilus138(突然の聖別)  覆面のマリアも雌雄同体であるが、群の生命「の」伝達の、その贖罪の秘密を孕む人頭獣身を解読しようとのぞき穴をのぞき込めば、それは、霊的なものの亡命のしるしとして思いがけなくも水溜まりだろうか、何とはなく不断に形を変えて流れる水だろうか。  過冷却状態の現在が不思議がられないのは、水溜まりのようだからであるが、奇妙ニモ、過ぎ去ることも怪しまれないし、雌雄異体も不思議がられない。遠吠えるような世界の広がりがアメーバや粘菌のように絶えず形を変えて流れることに気をとられて、うっとりとまでは言わぬまでも何処か呆然としてしまうからだ。一方、時の表面張力のような現在が不思議がられないのは、とっくに始まっている決壊をこらえて思い直す微かな、麻酔にかかるような弛緩からとでもいうようだ。  過冷却状態の現在は、形を留めようとする世俗化の試みであるが、その水面に一枚の枯葉が落ちるような突然の聖別、突然の不思議に曝されている。ドウシテコンナニモ近クニイルノカ!というような恋というものの、突然の聖別のように、いつでもtwice-toldの物語にスリップするのである。  このスリップは、異常接近である。A.Wyesの窓の下の、その地面に一枚の枯葉が落ちているような、あるいは、踏みつけ道に張った薄氷が泡粒と落葉を閉じ込めているような発覚と励起のスリルである。その、何とはない(しかし、励起した)落葉は、汎焦点の効果で一気に異常接近し、一気に片隅に粛(しじ)まる。

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