碧空1805 nautilus148(塔となって蠢く生命)
1805 nautilus148(塔となって蠢く生命)
個と種が解離して言葉が機能することは世界の広がり、雌雄異体の気配である。マリアが失語症ではないかと疑いたくなるのは、マリアが雌雄同体の気配だからである。マリアの吐く言葉は、話しても話したことにならない擬語で、マリアの頭から産んでも陰部から産まれているというふうに屈折する、最後の一羽しか話さない言葉なのだ。或る言語を話す最後の一人の発話は、話したことになるだろうか。世界は広がらない。いくらつんのめって前進を試みても世界は終わっているので、受胎告知が起こる、というより起こらない、というより過ぎ去らない!
それは、「マリアとなって生命を贖うヤーウェ」を極端に私的に注釈する異象の試みである。
マリアは、女王白蟻とはうわべはまるで違うかに見える。女王白蟻は20年も生きるが不断の危機に瀕していて、そのために産卵し続ける。追いかけて来る危機を回避するために移動するというのでないのであれば、器官を延長して分業し続けなければならないのである。白蟻の塔は雌雄異体の気配である。この塔となって蠢く生命が、女王白蟻を20年かけて更新する。20年、塔を孕んだ婢の状態なのである。
マリアは果たして、女王白蟻と違うのだろうか。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home