碧空1839 nautilus182(OLD NICKの気配)
1839 nautilus182(OLD NICKの気配)
物語の終結法としての幸福も悲痛も、生贄であることの忘却(増上慢)である。あるいは、生贄であることの症状である。症状は、何か特別であることを訴える。幸福と悲痛は、その二つの様式である。
症状は、metamorphosis であるから、救済なのか呪われているのか区別し難い。手錠で融合しようとしたHannibalとClarice の関係が、Hannibalの手を切断して終結するか、Clarice の手を切断して終結するか、それには幸福と悲痛が対応していて、「Hannibal」(T.Harris)は増上慢を免れていないかに見える。乳房を筋肉に全質変化させて掌に握った胡桃を砕き割るマーゴの悲鳴と受精と履歴改竄の話に、何事もなかったかのように坦々と地続きになっているのではない。
しかし、本当に世界をあざむいていないのか。「Hannibal」(T.Harris)なのに、どうしてHannibalの手を切断して終結することが幸福と感じられるのか。長靴を穿いた猫は長靴を穿いた猫ではなく、HannibalはHannibalではないというようにOLD NICKの気配がしないか。


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