碧空1900 nautilus243(逃れ易い富)
1900 nautilus243(逃れ易い富)
蛇体に巻きつかれた籠の鳥が救出を夢想するのは、後ろ手に縛られ吊り下げられた女体を救出する夢想の反転である。
あの「月と雁」は、月を背景にして、というより遍在する月の窃視に被曝して、雁の目、雁の嘴の色が一気にズーム・アップして迫るのである。それは真に迫るというより、寂漠を媒質とした異常伝達であって流通しないし、偽造もされない。
あの「野火」は、「私」が行くために(「私」の異常接近を誘導する監視のように)思イガケナクモ上がる腹話術であって、何も身に覚えがないのに流されることを思イガケナクモ白状するのであるし、思いがけない景色を見てどこかへ流される如く富が移動して何か豊かなのである。
あの「雁」は、蛇体に巻きつかれた籠の鳥が救出を夢想する、その夢想を、囚われの女体を救出する夢想を以て反転的に償うようにコピーし、その、蛇体の侵入の空想を、雁を捕食しようとする空腹を以て器官変換的に償うようにコピーして、富が囚われの女体に移動するが、残リ惜シクモ、思いがけない景色を見てどこかへ流されるのである。


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