碧空1903 nautilus246(過ぎ去る振りをする魘された影)
1903 nautilus246(過ぎ去る振りをする魘された影)
実体鏡(左右両眼の位置にカメラをおいて撮影した同じ被写体の二枚の平面写真を、二個の凸レンズを通し、左右両眼で覗いて見るようにした装置)では、ふたつの虚像が重なって、平面写真が立体的に見える。これは、ヘロドトス的に平均値を以て償うようにコピーして、虚像を実体に見せる遠近法を暗示する。
しかし、これは歴史的というより法則的である。「LITTLE NURSE」(Mentholatum )は法則的というより歴史的で、しかしそれは、再発的な過ぎ去る振りをする展開である。
「LITTLE NURSE」は、時のイラストである。時は全体や種のように逃れ易いが、極端に私的で、全体が個虫の振りをするように、世界の終わりではない振りをする。つまり、過ぎ去る振りをする。それは、現われるということになるのだろうか。宙に浮くということを、場所を占めて起こるようにする遠近法は理解しない。それは、起コラナイ!ということになるのだろうか。
償うようにコピーするとは、値するということであるし、出会うということである。遠近法で(法則的に)出会うか、遠近法が崩壊して(歴史的に)魘されるように出会うか。その、伝達と異常伝達とが「月と雁」の構図となって人知れず重なり合う「雁」とは、無量の残り惜しさとなって蛇体に抱き竦められて無縁坂に立ち尽くす女体の、その、過ぎ去る振りをする魘された影である。


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