碧空1837 nautilus279(鴛鴦の夢)
1837 nautilus279(鴛鴦の夢)
「暗夜行路」の夢を埋め尽くすばかりに犇めく鴛鴦の奇怪な増殖振りは、雄が雌を兼ねる、あるいは雌が雄を兼ねることの失敗なのではないか。
つまり、その夢の棟に跨がる支配的な悪い気、強迫する命令の気配は、雌雄異体ではなく、雌雄同体でもなく、広がろうとする世界が広がろうとする衝動のままに不発なのであるが、その不発を夢に転写すると反転して、鴛鴦は雌雄を兼ね損ねて、その失敗の累積がそのまま鴛鴦が群がり、犇めく増殖になる。
しかし、この殺到は、全体が個虫の振りをする自食の、その空転なのである。


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