碧空1910 nautilus253(いきなりまた「私」が始まる!)
1910 nautilus253(いきなりまた「私」が始まる!)
刃の毀れてしまった細い剣を杖にして、日暮れの薄暗い往来を歩く。それが「或る阿呆の一生」なのであれば、不眠の試煉も沈黙の試煉も暴走していない。何事かを償うかのようにコピーして、また「私」が始まる。
しかし、不覚にも涎をだらだら垂らすのであれば、「或る阿呆の一生」は食欲も性欲も遠近法を起動して世界が広がる余力がない。眠ってはならないどころか眠っても眠ったことにならない不死や、喋ってはならないどころか喋っても喋ったことにならない思いの届かなさは、何事もなかったかのようにいきなりまた「私」が始まる!のである。


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