Monday, November 16, 2020

碧空1924 nautilus267(「私」の衰弱の衝撃)

1924 nautilus267(「私」の衰弱の衝撃)  「歯車」と「トロッコ」の関係は、片目を半透明の歯車の回転と増殖と寄生に乗っ取られた「私」の衰弱が、その、誰にも解けない問の複素数のような解として「トロッコ」の景色を間に合わせた、従って「トロッコ」が致命的な遠方を孕むような関係である。  戻って来た「私」とは別に、トロッコに運び去られた致命的な遠方から戻れなくなっている「私」がいる、といった衰弱の衝撃はまだ過ぎ去っていない。不安は、戻れなくなっていることではなく、戻って来ているのに、そのことが疑わしい「私」の衰弱の衝撃である。  「トロッコ」の景色は、その形式(目的あるいは場所)が同時にその意味であるような夢の景色の如くして襲う。それは単なる記憶ではなく、夢の如くなのである。

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