Monday, January 18, 2021

碧空1886 nautilus328(空の感じ)

1886 nautilus328(空の感じ)  世界と「私」と世俗とに解離する三つの位格は、場所と後れて来る主体と目的とに解離する三つの位格に対応した俗説であって、世俗と呼ばれる当処は目的の俗説である。  世界の目的などというものがあるとしたら神秘的であるが、世界は予定調和的であるから目的も種の如くして、世俗は忽然とあてどない。それが世相の、何か膨れ上がるようでいて胸が潰れるような空の感じである。  つまり、世相の気配は、種の如き「私」の空の感じが膨れ上がると同時に収縮する影なのである。映像が片隅を以て償うようにコピーしたセピア色の、次元減衰した世相の、あの、ぞっとするような気配である。償うようにコピーした世相を代表するのは、ばらばらなようで何か一向に人々が通りかかる(なかには一瞥をこちらへ(遠い未来からのぞかれているとも知らずにこちらへ)投げて通りかかる)街路のざわめきや、新しいものの出現に瞠目して群がる顔々の感嘆や、諸々の慣習に神妙に従う諸々の保守の姿、そして廃れて絶滅していくものの後ろ姿であるが、ぞっとするからには、何か霊的なものが(2.26の、銃剣を鼎に組んだ雪景色のようには不吉でないにしても、何度ものぞきに戻らないではいない)目をみひらいているのである。

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