碧空1919 nautilus361(記憶喪失を起こしそうな片隅)
1919 nautilus361(記憶喪失を起こしそうな片隅)
学生生活から海軍の大海原と規律と献身へ、台湾、横須賀、東京、上海へと続く死刑執行猶予の暗夜行路の、その、片隅の見かけの偶然は薄汚い坊主頭の上層部の気まぐれに従うのであるから、それは、暗号解読の作業で、規則に従っているが偶然の振りをする配列の表情の如くである。
しかし、その気まぐれは運命や種や無意識といった命令の変装で「私」を脅かすのであるから、この暗夜行路は解読不能の静けさに突如襲われることになる。気まぐれであればこそ、この片隅は、まるで見てはならないもう一つの片隅、タイム・スリップした片隅、Doppelgaenger の歩く片隅がのぞく如く、あの夢中遊行的失踪「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brownと名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」というように、記憶喪失を起こしそうなのである。
あるいは、この片隅は、記憶喪失を起こしていることを思い出そうとして表情が解読不能の静けさとなってミスコピーするような極地なのである。


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