碧空1849 nautilus391(異常接近して欲しい)
1849 nautilus391(異常接近して欲しい)
青い淵のような丑待ちの鏡は独りになっていってのぞき込まねばならいが、一人になるために半分になって心細いのか誰かに、というより、幽霊も同然の柔らかな存在について来て欲しい、というより、異常接近して欲しいのだ。トックニ異常接近ハ起コッテイルカラ心細イトイウノニ!
言い伝え通りに、三本指の左手の遺骸の顔は新聞の写真から出て来たようで、それは、入道頭の北條早雲が、というより、昔話のような霊的抽象が異常接近して来て映し出された瞬間で、言い伝えのような山本五十六が実在しているのに驚く、というより、言い伝えのような山本五十六の実在が驚くというふうなのである。しかもそれは、まるで小学校の読本の挿絵にこれから入っていくとでもいうようなのだ。
そんなふうに、その遺骸が誰であるかの発見者はまるで遺骸の無意識が立ち上がったかのように異常接近して、青い淵をのぞき込んで入れ替わってしまっているのである。こうして伝わる。しかしそれは、伝わることになるのか。(nautilus390)


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