碧空1856 nautilus397(Sphinxは「なぜ」を禁止する)
1856 nautilus397(Sphinxは「なぜ」を禁止する)
貨幣の模写能は、鏡の模写能のように左右逆転、しかし表と裏は逆転しないのとは違って、個と一般は反転、しかも解と問も反転する。一般に反転した抽象的模写の、その、予定調和的な全体は、解となってunlearn する問なのである。つまり、言葉や貨幣や歯車といった媒体は記憶をコピーしているのであるが、問を映し出す解が問の媒体であるのは、問が解となってunlearn するのである。
旅人が通りかかるのを(誰もいない部屋を呑み込んだ鏡のように)待ち侘びるSphinxの謎掛けは、予定調和的な全体である運命ノ暗示(問としての「私」)が解としての「私」となってunlearn する覚悟を旅人に迫るのである。運命ノ暗示は、隣人の異常接近のように、自由にならない道だからである。
「いかに」への応答は自由にならない、「なにを」は初めから種の夢として潜伏していて発症する、「なぜ」という問は許されない、とゲーテが三つの否定を迫られるのは、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の前をゲーテが通りかかったのである。運命ノ暗示(Sphinx)は、「なぜ」を禁止する。


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