碧空1934 nautilus376(輪郭励起の暗示、強迫的コピー)
1934 nautilus376(輪郭励起の暗示、強迫的コピー)
何か間違っている気配は、しかしドンぴしゃに響いて来る。東京駅に降り立って宮城へ復命に向かう山本五十六の頭に淡雪が降りかかり、出迎える東京市民の人垣に淡雪が降りかかる。それは、何か間違っている気配であるのに、極端に私的な片隅がドンぴしゃに響いて来るのである。
淡雪が降りかかる、それは音もない喝采である。山本五十六には、人々を前にしてわざわざ危険な場所で逆立ちして見せ、やんやの喝采を呼び起こして見えない輪郭を励起せずにはいられない曲芸癖があって、足元を過たないように声をかけてはならない夢遊病の危険な歩行の如くして、何度ものぞきに戻らないではいない魅惑の源泉に繰り返し呼び出しを喰らう。(nautilus375)
その危険な崖に沿った暗夜行路は輪郭喪失と輪郭励起の暗示に罹っていて、輪郭励起を強迫的に償うようにコピーする何か間違いの連鎖なのである。そのモデルは、出自と系譜が長岡藩であることにまで遡上するにしても最終的でも決定的でもない。


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