碧空1939 nautilus381(酷薄な実験)
1939 nautilus381(酷薄な実験)
運命ノ暗示は、巷間の発明家となって姿を現わした。それは、Sphinxのように丁か半か選ぶように迫る。その発明家の実験では、水が石油に化けて、水の上に石油が浮かぶのである。単なる奇術なのか、科学技術の精髄なのかを選ぶのは、肝心なところで癲癇を起こして血を吐きさえする発明家ではなく、発明家の姿をして現われた山本五十六である。実験は、場を海軍の軍令部軍備担当から徳山の海軍燃料厰へ移して続行されるが、単なる実験ではなく、日本の行方を占うのである。というより、既に分かっていることを酷薄に告知するのある。
真珠湾の奇襲は、湧水が油井に変貌することを空しく願って危険な高所を逆立ちして歩く実験のようなもので、来たるべきミッドウェー海戦の敗北の予告である。


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