碧空1918 nautilus459(四重の異常接近)
1918 nautilus459(四重の異常接近)
古城の廃墟に分け入って認識されたと感じる、それを報告するのは後れて来る「私」であっても、その気配は後れて来るはずの「私」が途中までしかやって来ない焦燥、あるいは「私」と場所と目的の区別がおかされた擬態疲労である。廃墟に分け入るほど「私」は場所になっていく、というふうだが、そのようにして特別に呼び出されて目的になっていくのでもある。
ゲーテ風に言えば、過去と現在は一つで、区別をおかされた不可解な作用(既視感)であるが、それは、ゲーテが説明するような、成就しているものと意図されたもの、築かれたものと暗示されたものが解離しない迷宮なのではなく、城址となって姿を現わした種の夢の(罪の)異常接近、解と問の中間に吸い込まれるように脱け出せないのである。種の夢ノ暗示がかかっているが、その解は廃墟であって城の全貌ではない。
しかし、ゲーテを魅惑する異常接近は、四重のブラックホールなのである。すなわち、廃墟と廃墟の中間、城と城の中間、部分と全体の中間、そして「私」と「私」の中間である。


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