碧空1919 nautilus460(蛹が羽化するような変脱)
1919 nautilus460(蛹が羽化するような変脱)
ゲーテを魅惑する異常接近は、廃墟に分け入って「私」が場所になっていく、あるいは目的になっていく(「野火」(大岡昇平)が報告するように、「私」が行く「ために」野火が上がるように)過去と現在の中間であるが、しかも、廃墟と廃墟の中間は、廃墟と城の混同に解消され、その混同は部分と全体の中間に解消され、そして「私」と「私」の中間、一つになるために半分になる中間に被曝するのである。
「野火」にならえば、「私」が行く「ために」廃墟が起こる。廃墟の奥地に分け入って場所になっていく、あるいは目的になっていく「私」は、のぞき穴から廃墟をのぞき込んでいるような後れて来る「私」なのではなく、場所と目的と「私」の三つの位格の変脱、まるで揚羽蝶の蛹が羽化するような変脱である。


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