碧空1937 nautilus478(引き寄せる力)
1937 nautilus478(引き寄せる力)
そもそも、J.J.Rousseauを包囲する偶然の如く、偶然に見えてもまるで陰謀であるかのように関連のあるものしか姿を現わさない。この引き寄せる力は、極めて節約的である。関連のあるものかどうか解釈しないで済むのである。
物語のplotの展開の節約性は、この、引き寄せる力のコピーであるのに、恣意的な選択や調子のいい構想に見えてしまう。
「澁江抽齋」などの鴎外の(選択しても選択したことにならない)追跡は、「山椒太夫」の展開を支配する引き寄せる力でどこまで行けるか、追跡というよりは誘われるのであって、身を委ねる応化の実験である。それは、コッホが結核菌を発見するように脚気の病因となって細菌が姿を現わすはずだというように息衝き余っているのではなく、導かれようとする野心なのである。


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