碧空1938 nautilus479(導かれようとする野心)
1938 nautilus479(導かれようとする野心)
応化の実験は、RachmaninovがPaganiniの主題による変奏にいや継ぎ継ぎに導かれて第18番目の変奏が姿を現わすように、まるで眠っている間に運び去られるかのように身を委ねるのに、しかも発見の野心の如くである。
安寿と厨子王の流転は、選んでも選んだことにならないのに踏み出さなければ道があるかどうか分からない底なし沼のような応化の実験に吸い込まれるように脱け出せない。「山椒太夫」は「澁江抽齋」以降の予兆であり、「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551 ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brown と名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」というように、解としてのアンスル・ボルンが問に反転して解としてのA.J.Brown となって姿を現わすようにして姿を現わした「澁江抽齋」以降の、その、ささやかに迫る発見の展開の、その良心や精神といった無意識が、「山椒太夫」なのである。これは、生殖に瓜二つだ!一になるために半分になるのである。


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