碧空1996 nautilus547(石に変えられていたヴェルテルの自殺)
1996 nautilus547(石に変えられていたヴェルテルの自殺)
Oedipus の、母の自殺は、あの、牝のSphinxの崩落が一体何なのか謎掛けられて、漠としてずっとそうなる気がしていた!というように謎が解けるのである。同じようにして、ヴェルテルの、あの、芝居がかった(というのも、漠としてずっとそうなる気がしていた!)自殺は、ヴェルテルが石に変えられていた魔法を解く、かに見える。
ヴェルテルが、ロッテの周囲をただもううろうろするだけで婚姻色が顕れないのはなぜか、ただもう行ったり来たりするだけで物言わぬ石も同然であるのは一体どうしたことなのか、ヴェルテルの独白が闊達なのはまるでこの硬直を償うかのようで、その硬直は、「男と女」と「子と母」の中間に吸い込まれるように脱け出せないのであるから、この独白的対話の究極は自殺なのである。というのも、ヴェルテルは、この二重の責めから脱出したいが(しかも)目を覚ましたくないのである。つまり、ヴェルテルの自殺は、この秘密の硬直を解くようにして(しかも)保存するのである。
それは、あの奇妙な人殺し、秘密を分け合うために毒を盛ってしまう、あの奇妙な償いに酷似している。(nautilus545)


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