Saturday, September 25, 2021

碧空2031 nautilus582(「湖中の島の牢獄」)

2031 nautilus582(「湖中の島の牢獄」)  Jean-Jacquesと(Jean-Jacquesの振りをする)Rousseauとの関係は、孤独と(偶然の孤独の振りをする)運命との関係である。孤独と、偶然の孤独と運命の中間とは何かまるで違うが、Jean-JacquesとRousseauが解離したJean-Jacques/Rousseauではなく、解離しないJean-Jacques/Rousseauは、孤独と、程度が取り消された絶対の幸福との区別がつかない。何も変わっていないのに取り替えられてしまっている、というふうだからである。  「湖中の島の牢獄」は、打ち寄せては返す波のような神話的懲罰、「ところでこの世界のすべての運動の中で最も規則的で最も自然で最も宇宙の秩序に合致している海のゆれ動きを、ド・ランクルは有毒だと考えた。その運動は、人間の心に危険な誘惑、起こりそうもなく何時も満たされない夢想を示し、邪悪な無限の形像そのものだった」といふうなのだが、その夢想が邪悪にも至福なのは、偶然の孤独を庇護するように包囲する陰謀の気配が、打ち消されて疾しさとなって潜伏した運命の変装だからである。  偶然の孤独となって姿を現わす運命、といった矛盾の裸出が、孤島であるが被監視状態の「湖中の島の牢獄」の、その陶酔なのである。

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