碧空2035 nautilus586(最初に見たものを差し出す)
2035 nautilus586(最初に見たものを差し出す)
最初に見たものを差し出す、という約束であるとしたら、Faust が最初に見たものは魂ということになる。しかしそれは、運命や種の如く、姿を現わすために姿を消すだろうから、最初に見た偶然の魂は、魂を映し出す鏡としての彫刻、デスマスクのような媒体である。
「美女と野獣」の場合、それは三人姉妹のうちの末娘であるが、人身御供とは、魂を映し出す鏡としての媒体を差し出すのであるから、その末娘は偶然の具体というより半具体、真実ではないが嘘でもない、呪術と比喩の間である。その末娘は、デスマスクや生首とまではいわぬまでも、蛹や石に変えられた失踪(metamorphosis )なのである。この失踪が、美女と野獣の間の婚姻色である。それは、魔法がかっているが、魔法を解くのでもある。
Jean-Jacques/Rousseauに迫る追跡や陰謀の気配も、魔法がかっているが魔法を解くのでもある。その/は解離するか、解離しないか、である。そのために、呪術と比喩の間のJean-Jacquesは偶然の具体というより半具体、真実ではないが嘘でもなく、魂を取りに来る陰謀の気配はRousseauを脅かすが庇護もするといった存在保証なのである。


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