Saturday, October 23, 2021

碧空2059 nautilus610(不利な光)

2059 nautilus610(不利な光)  Jean-Jacques Rousseau が追跡の気配を躱せないように、ヴィルヘルム・マイスター(の修行時代」Goethe)は「黒い霊」につきまとわれていることを、若き日のヴィルヘルムは竪琴弾きの褐色の老人を通して独白する。  家長とオドラデクとの独白的対話は、後れて来る「私」のもう一つのエネルギー状態(位格)が、潜伏した場所である、ということの寓話である。家長というものも、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡をのぞき込んでしまって小さく非常に小さく一歩も進まないのである。  家長の接近に興奮したオドラデクが変に光り出すのは、家長には不利な光である。オドラデクの本当の持ち主が家長であるかどうか疑わしい、というより本当の持ち主であることは本意ではないというふうだ。  全体を個が代表するように呼び出されなければ成らない家長は、その奴隷性を忘れてしまうのか、漠として思い出そうとすることなのか。そうした家長を分割するようにオドラデクは擦過するが、この奴隷性が打ち消されるのではなく、自由と孤独の半身を打ち消す不利な光に、漠としていた献身が浮かび上がるのである。  それはまるで、下半身がオドラクであるようなケンタウロス!(家長)がオドラデクを躱せないことが敬虔!だ、とでもいうかのようだ。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home