碧空2086 nautilus637(特別の器官)
2086 nautilus637(特別の器官)
遍歴は、もっと遠くへ!葛藤が涸渇する果てまで、ではなく、涸渇しないように続く。従って「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」(Goethe)は、その遍歴時代と異質なのではない。この世に何かを尋ねるようでいて、その尋ねる何かに衝き動かされているのである。
その、尋ねるものは、姿を現わすために姿を消すのであるから、寂漠に被曝するには器官としての猛禽類の鳥瞰が発達しなければならないように、尋ねるものが何であるか把握する特別の器官が解発するか、器官が延長するなどしなければならない。
例えば、血筋の系統図の外観を犠牲にした複雑怪奇な、近寄ってはならない塔や、開かずの間や、何のためか分からない多過ぎる廊下、といった血縁関係を感知するのは、何かゴシック的な器官であるし、姦通の痙攣的味わいは、姦通が器官の延長の社会的形態すなわち代理的分業であるとはいえ、「私」が同一のものではなくなっていく不安や嫉妬が、その冒険の器官なのである。


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