碧空2118 nautilus669(隕石の衝突)
2118 nautilus669(隕石の衝突)
伊福部昭少年は、1923年9歳の夏、単身音更村へ移住して来るが、帯広駅から馬車に乗って北方の村へ続く長い落葉松の一本道を進む途次、馭者が何を思ったか、俺ハ谷口トイウノダ と名乗ったのだった。
そんなふうにして因幡の素兎が泣きじゃくる浜辺に大国主命は通りかかる。しかも何か種に迫って蘇生というには悔やまれるほど取り返しがつかなく、しかし「私」のせいというには偶然過ぎ、しかし偶然が程度であるはずはなく、しかも程度が取り消された偶然ならどこが偶然なものか。
こうして単に通りかかるだけでなく、道が雪に埋もれる冬季には落葉松の並木に導かれるように、何か導かれていると不意に感じられるように、呪術ト比喩ト目的ノ間ニ、通りかかる。しかも、守護霊の接近が「私」を探しているようではないというように不意をついて、どんなに身近に話しかけられても他の誰かに降りかかっているというようにエラーの如く、意図も目的もなくタイム・スリップする如く迷い込んで来る隕石の衝突なのである。


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