Saturday, December 25, 2021

碧空2122 nautilus673(種の夢を償う、種の夢の真実味を償う)

2122 nautilus673(種の夢を償う、種の夢の真実味を償う)  過冷却状態の現在の、その悔やまれるほどの取り返しのつかなさを真実らしさが償うのは、取り返しがつかなくなるまであと0秒の、その0の膨張が償うのである。偶然の個や悪や偽といった症状が運命や種や良心や精神といった無意識を償うのであるから、真実らしさは症状に属するかに見えるが、偶然の個や悪や偽や症状といった真実らしさが命令を告げ、命令を継ぎ、命令を償うのである。  この真実らしさは種の夢の取り返しのつかない発見であるから、すぐにも活用しなければ、まぼろしも同然である。だから、この、種の夢の真実味は、何度も口にして誰かに告げずにはいない。まぼろしになるまであと0秒の、その0の膨張が、告白と伝聞の間に真実味を継ぎ、真実味を償うのである。  咸平五年、建州ノ海賈周世昌風ニ遭ヒテ漂ヒ日本ニ至ル。凡ソ七年ニシテ還ルコトヲ得タリ。其ノ国人滕木吉ト至ル。上、皆之ヲ召見ス。世昌其ノ国人唱和ノ詩ヲ以ッテ来リ上ツル。詞ハ甚ダ雕刻ナレドモ膚浅ニシテ取ル所ナシ。・・・上、滕木吉ヲシテ持スル所ノ木弓矢ヲ以ッテ挽射セシム。矢遠キコト能ハズ。其ノ故ヲ詰ルニ、国中、戦闘ヲ習ハズト(宋史日本伝)  ゴロブニン船長の松前幽閉が解けたその年、ペテルスブルグの都から日本国への贈りものは、一個の時計だった。それは、発条を充たせば、川の如きものが横に流れ、馬首が出て来て水飼う工夫だった。  高見山大五郎が日本国に初めて降り立ったその日、東京地方は寒く、雪が降っていた。嗄れ声の、この、常夏の島から来た若者が白い息を吐きながら最初に覚えた日本語は、寒イ寒イだった。

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