碧空2157 nautilus708(根拠のなさに触れてしまう危機の気配、危機の待機)
2157 nautilus708(根拠のなさに触れてしまう危機の気配、危機の待機)
器官の位置異常の、その二重性を告白すると同時に眠り込ませる模写発作があるとすれば、それはあくびである。退屈と結びつくあくびは伝習的であるかのように見えるが、そもそも不随意の普遍的発作が慣習的なものだろうか。
退屈と結びつき易いのは、あくびの解釈が因習的なのである。しかし、あくびは退屈や飽き飽きしていることと結びつくというよりはむしろ、根拠のなさに触れてその裂目を覆い隠そうとするのである。従って、あくびは、生きることの根拠のなさに触れる危機がすぐそばに迫っていることの目じるしになるのであるが、しかもそれは、宙に浮いた何でもなさが打ち消されようとしていることの目じるしにもなる。
生きることの根拠のなさに触れる危機がすぐそばに迫っていて、その危機の気配を倦怠や味気なさといったふうに解釈して要約できない狼狽からこそ転移発作的な模写発作が起こる。この不随意のあくびを噛み殺して口を食い縛る身振りは、酸素を求めて水面に出ようと喘ぐ顔を水面下に抑えつけるのであるが、しかしその、伝習的な決断の表現のすぐそばに、根拠のなさに触れてしまう危機はなおも待機している。


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