碧空2194 nautilus745(偶然の偏在、百年の遍在)
2194 nautilus745(偶然の偏在、百年の遍在)
「Wakefield」(N.Hawthorne)の失踪は、その、運命に逆らう自由、孤独の精華を(偶然の個や悪や偽といった症状を)演ずるが、それはまるで、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡に閉じ込められた「私」というような収縮である。それは、雁の背に乗ったニルスの冒険、ニルスの失踪の如く、「私」は場所になって姿を消すのである。
この失踪は、百年の飛行である。この収縮は、後れて来るはずの「私」が頓挫して、その遠近法が開かないのであるから、その瞬間移動の偶然の偏在は百年の遍在と区別がつかない。
この瞬間移動を、運命に逆らう自由、孤独の精華が、運命が演ずる服従の精華(偶然の個や悪や偽といった症状)であるように展開する独白的対話が、Oedipus である。Oedipus は悪疫となって遍在する。


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