碧空2258 nautilus809(Wakefieldの落下、咆哮、沈黙)
2258 nautilus809(Wakefieldの落下、咆哮、沈黙)
1の発見(の頓挫)を、物語の終結法は引きずっている。サロメを見詰める皿の上のヨハネの生首の如く、終わる振りして終わらないのである。何事もなかったかのようにまた一日が始まって、真実らしさを持て余す興奮、励起の延長は、癌の増殖のように音もなく人知れない。
次の物語は、最初の物語に連れ戻される。種の夢の位格を一気に貫通する意識の最終状態は、場所の場所が償うように浮上して振り返るように落下する寂漠である。
それは、失踪した「Wakefield」(N.Hawthorne)が、長い不在の間の、日々のありふれた片隅の光景をガラス窓越しにのぞき込むような(そこにいてそこにいない)音もない落下である。
後れて来る「私」の潜伏を償うように起き上がって来る後れて来る身体が、何かを思い出そうとするように思わず振り返ってしまうのは、その、後れて来る身体が誰でもない場所だからである。Wakefield は、Wakefield が偏在していたはずの日々の光景をのぞき込むが、それは、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡をのぞき込んで音もなく落下するのである。
寂漠は、偏在が遍在を呑み込んで咆哮する如く一気に拡張し、一気に石の如く圧縮して沈黙する。


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