Tuesday, May 17, 2022

碧空2263 nautilus814(半鏡像の暗喩的葛藤)

2263 nautilus814(半鏡像の暗喩的葛藤)  長靴を穿いた猫と魔法使いの、その、弟子と祖師の関係は、個と種の関係で、弟子が祖師を滅ぼす、あるいは祖師が弟子を滅ぼすかに見えるのは、個が種を呑み込むようにして種に個が呑み込まれる葛藤の分割である。  あの晩冬の、融けかけた雪がまた凍結する心細い夕暮れに、芽室を経由して国見山の方からひどく遅れて到着したバスの車掌に話しかけられている、あの1963年の「私」を乗せた惑星と、鏡をのぞき込むように1963年の片隅をのぞき込む、この2022年の、後れて来る「私」を乗せた惑星との間には深淵が満々としていて、というより、1963年の片隅の「私」となって鏡像が現われるために2022年の片隅の「私」を乗せた惑星は鏡となって潜伏するような暗喩の関係にあって、1963年の惑星が遠ざかるかに見えて異常接近するのは2022年の惑星をのぞき込むからであるが、コレハ本当ニ「私」ナノカ!と迫る怪しみは、1963年の「私」が2022年の「私」を映し出して一つになるために半分になるからである。この半鏡像は、1963年や2022年の個々の「私」とも1963年の「私」や2022年の「私」の間に出現する種の如き「私」とも何か違う。  半鏡像は、個が種を呑み込むようにして種に個が呑み込まれるような暗喩的葛藤である。

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