Thursday, July 21, 2022

碧空2328 nautilus879(それ自体が後れて辿るというように1)

2328 nautilus879(それ自体が後れて辿るというように1)  湿地に残されたOLD BEN の、その誘うような足跡は、その窪みに水が滲み出て来てたちまち足跡を崩しながらずっと続くようにして、いつの間にか見失うかと思うと空中から生ずるようにして、まるでそれ自体が後れて辿るというようになおも続く。(「The Bear」W.Faulkner)  Quinn のNew York(「City of Glass」P.Auster )のstreets のカオスにも、Old Benの、時計も磁石も失効する人跡未到のデルタ(sudden dimensionlessness,sudden weightlessness)が潜んでいる。道に迷いようもなく三つ目四つ目とくっきり数えられるのに道を見失い、それっきり行方知れずになってしまいそうなその寸前で次の通りが(Old Ben の次の足跡が希薄な空気から生まれ出るようにして)順次Quinn に現れて来る。地上のNew Yorkとは別の次元の地下的な目的が種や全体としてスロー・モーションで自らを想起するが、従って自らを忘却する。  ユトレヒトの取り決めに落胆した叔父トウビーが「静けさ」のあとに「沈黙」を従えて居間に入って来て、その頃までにはすっかり落胆し切ってマントを頭の上からすっぽり被ると、叔父の隣の安楽椅子に「無気力」がしまりのない体つきとうつろな目をして音もなく腰をおろす。(「The Life and Opinions of Tristram Shandy,Gentleman」第六巻第三十六章 L.Sterne)  10月11日、終日薄日、卓の上にさっきはなかった石鹸がくっきりのっている。「木の葉がちらちらと顫えた。そのうちに枝を離れ、流れはじめた。一葉ずつ、目で数えたくなるほどくっきり」

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