碧空2342 nautilus893(DraculaやFloydが鏡の前に出ると鏡が破裂してしまう)
2342 nautilus893(DraculaやFloydが鏡の前に出ると鏡が破裂してしまう)
plotの展開に身を委ねるのではなく、metaphorに身を委ねれば、これまで旅人の通った道からは逸脱しているように見える。
トリストラムがフランス第一の富に栄えるリヨンの市の、その未知と新奇を尋ねるのに当たって巡覧リストを作成するが、第一位に来るのは聖イレナイオスの教会の、キリストが縛りつけられたという柱や、ポンティウス・ピラトの住んだ家ではなく、リッピウスの大時計や三十巻に及ぶ支那の通史である。それは未知や新奇を尋ねる旅行の興趣に矛盾しないどころか、トリストラムが機械に音痴であることや支那の言葉がまるで珍紛漢紛であることで未知や新奇にトリストラムがかかって新鮮な姿を現わすのである。
つまり、それは、トリストラムに疫病の如く罹ったトリストラム症であるし、トリストラムを打ち消すまでに追い詰められた深刻なコピーであるし、あの、これまで旅人の通った道からは逸脱して見える「The Life and Opinions of Tristram Shandy,Gentleman」全体を、トリストラムの生涯の海の底のような、失われた記憶のような偶然の片隅のリッピウスの大時計の歯車や支那の通史三十巻が代表して光り出すのである。
それは、Dracula やFloyd が鏡の前に出ると鏡が破裂してしまうように、トリストラムの生涯を打ち消すまでに追い詰められた深刻なコピーである。


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