碧空2345 nautilus896(何も起こったことにならない鏡の破裂)
2345 nautilus896(何も起こったことにならない鏡の破裂)
日本人脳外科医師、連邦警察警部、旧東ドイツ出身ジャーナリスト、そして魘されたヨハンと瓜二つの双子の妹は、それぞれ異なる関心と手掛かりを辿って、寂びれた山間の町ルーエンハイムに続々と集結する。(「モンスター」浦沢直樹)
この、四方に散っていた部族が陸続と集結する如く鼓動打つ収斂は、一体何の暗喩だろうか。
そこで何かが起こるとしても、あるいは起こるのを阻止するとしても、魘された存在は解けるのか。
起こったことを打ち消すには記憶改竄や記憶喪失、目撃者や良心の呵責の抹殺しかないのではなく、試しにヨハンの如く打ち消し、打ち消し、どこまでも打ち消しまくれば、世界の終わりに、何も起こったことにならない鏡の破裂に出るだろうか。どこまでも広がる世界はヨハンの行く淋しい道であるが、遠近法に包まれていて、打ち消すまでにコピーするレプリカの気配がそう見えるのである。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home