碧空2411 nautilus962(露出的スリル、窃視的スリル)
2411 nautilus962(露出的スリル、窃視的スリル)
雨に破れかけた街角のポスター、同じ顔同じ視線のポスターが何枚も並んだ地下通路、雪のちらつくショーウィンドーの、こちらを見ている着飾ったマネキンは人形振りのパントマイムではないが、
夜空に聳える大広告の、グラスを片手に持った紳士の顔は韜晦しているが、角氷が揺れて鳴ったし、腕が下がった気配がしたが、
何か別にあるかの如き魂の気配、何か知を共にする遠隔感応、それは何か記憶喪失の如く、何かタイム・スリップの如くである。
記憶喪失を扱う物語が次に、とまではいわぬまでもやがて扱うスリルはタイム・スリップである。記憶喪失の露出的スリルを打ち消すまでにコピーした窃視的スリルが、タイム・スリップなのである。つまり、「私」を見失うように露出的な、「私」を見失わないように窃視的な、このスリルとは、そこにいてそこにいない葛藤の、その症状の二極、すなわち幽霊性が同じと見なす対極である。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home