Tuesday, January 10, 2023

碧空1501 nautilus452(「私」の危機に石を投げ入れてみたくなる)

1501 nautilus452(「私」の危機に石を投げ入れてみたくなる)  薄気味悪く迫る「誰かがいる」気配を打ち消すまでにコピーした種の浮上は、異性と良心を同じと見なす「私」の危機であるが、異性を尋ねて場所を尋ねてしまう場所の場所の浮上の、その、大気が寂漠になる「私」の危機を代表する隠沼は、異性と場所を(異性が場所の精の如く)同じと見なすのである。  「オーヴェールの眺望」(Cezanne )の、その片隅を窃視した「ラクロワの家」や、「首吊りの家」は「私」の危機を(秘密な「私」との類似性から)代表する隠沼である。それは、もうこの世にはいないモーカン姉妹の窓辺の如く、石を投げ入れてみたくなる。  淋しい音がするというより、場所の場所の浮上は種の浮上である。種は、個と個の間に出現して個が昇格するかのようであるが、まぼろしであるし、この位格は「私」を輪郭づけるとも「私」の輪郭を脅かすともつかない。「私」の危機に石を投げ入れてみたくなるのは、宙に浮いた「私」の輪郭を発作的になぞるのである。

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