碧空1512 nautilus463(フランスの原野を冒す「聖アントワーヌの誘惑」の症状)
1512 nautilus463(フランスの原野を冒す「聖アントワーヌの誘惑」の症状)
「私」が来る前からあるはずのジュールダンの小屋、ジャ・ド・ブーファンのマロニエの並木、ジャ・ド・ブーファンの大木、ビベミュの岩と枝、エスタックの岩、赤い岩、森の中の岩、聖ヴィクトワール山とノワール城、聖ヴィクトワール山と切り通し、アヌシー湖、エスタックから見たマルセイユ港、エスタックの海、ベェルヴューの眺望、
「私」が通りかかる前からあるはずのマルヌ川にかかる橋、池にかかる橋、姉妹たちの池、道と池、曲がり道、
「私」が見かける前からいるはずの画家の息子ポール、赤いチョッキの少年、カルタ遊びをする人たち、帽子を被った「私」の鏡像、黒人シピオン、アンブロワーズ・ヴォラール、モデルヌ・オランピア、ガスケ、ショッケ、
「私」が来る前からいて吐息がするような石膏のアムール、黒と白の静物、青い花瓶、ゼラニウムの鉢、白いコーヒー沸かし、箪笥、ドラクロワのメデ、聖アントワーヌの誘惑、
Cezanne が廃墟の奥行に分け入って、誰でもなくなっていくのに認識されたと感じる奇妙な失踪も、告解室に被曝して秘密の姿を現わし、告解室を通り抜ける間に告解室となって姿を晦ます独白的対話も、あるいは秘密を分け合うために毒を盛る如きモルグ街の密室のミステリも、フランスの原野を冒す聖アントワーヌの誘惑の症状、偶然の症状であるが、まるで約束の症状のようでもある。


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